名鉄3100系電車
名鉄3100系電車とは、1997年に登場した、2両編成の名鉄の通勤車両である。
概要[編集 | ソースを編集]
1993年以降、名鉄はVVVFインバータ制御を採用した、名鉄初の3R車である3500系を増備し続けていた。ところが、3500系には4両編成しか存在しないうえ、他形式との連結が不可能であったため、柔軟な編成組成に対応できないという欠点が存在していた。それを解消すべく、3500系と連結可能な2両編成が必要になったため、本系列が製造されることになったのである。
構造は、基本的には同年に登場した3500系の改良版である3700系に準じているが、2両編成となったため、機器類においては少しの変更が加えられている。
構造[編集 | ソースを編集]
車体・内装[編集 | ソースを編集]
箱形の車体、中央部の9人掛けの座席など、同年に登場した名鉄3700系電車とほぼ同じである。
機器類[編集 | ソースを編集]
機器類においても、C-1500型のコンプレッサーを採用するなど3700系と共通設計となっているが、制御機器においては3700系と異なり、東芝または三菱電機製のIGBT-VVVFインバータ制御を採用。3500系や3700系とは異なり、1台の制御装置で1基のモーターを制御する個別制御方式となっている。
次車区分[編集 | ソースを編集]
- 1次車
- 1997年3月~4月に10編成が製造。
- 2次車
- 1998年3月~4月に9編成が製造。新製時から英字表記付きの方向幕を採用し、側面幕のサイズを大型化するなど、同年に登場した3700系2次車と同様の変更がされている。
- 3次車
- 2000年4月に4編成が製造。運転台の変更、車外スピーカーの設置、カーテンがフリーストップ式となるなど、ほぼ同時期に登場した1600系の一部の設備を踏襲している。
改造[編集 | ソースを編集]
前照灯の交換[編集 | ソースを編集]
(時期不明)3次車全車において、前照灯がシールドビームからHID灯へと交換された。1次車や2次車は交換されていないが、2024年に入って突如3112Fの豊橋方の前照灯がLEDに交換されており、今後の動向が注目される。
モケットの交換[編集 | ソースを編集]
(2010年代頃?)座席モケットの色は3500系や3700系と同じものを使用したが、色褪せが激しく、後に全車が6500系のものに交換された。
制御装置のソフト更新[編集 | ソースを編集]
(2015年?~2019年)三菱電機製のVVVFインバータを搭載した車両において、制御装置のソフト更新が行われた。故障の多さや連結時の他形式との相性が悪かったため施工されたと考えられている。
塗装変更[編集 | ソースを編集]
2019年より、トップナンバー以外の全車において、白をベースとし屋根付近は赤とする配色である2200系と同じような塗装に変更された。これに伴い、モケットも3300系と同じようなものに交換されている。
運用[編集 | ソースを編集]
のちに登場した3150系や9100系と共通の運用が組まれており、ラッシュ時は3Rの4両編成や2200系などの増結に入り、昼間はローカル支線区の運用についたりなど、様々な面を見せている。
今後[編集 | ソースを編集]
GTO素子のVVVFインバータ制御を搭載した3500系においては、制御装置の経年劣化が進んだため、2017年より機器更新が行われているものの、その機器更新がIGBT素子のVVVFインバータ制御を搭載した本系列にも普及するかは気になるところ。なお、Enpediaでは「故障が頻発する、1600系のシステムを一部踏襲した3次車は早いうちに置き換えが進むとの噂がある」との記述を見かけるが、それは全くのデマである。おそらく3次車のほとんどが三菱製のIGBT-VVVFインバータ制御を採用しており、連結時の相性が悪かったため、そのような噂が広まったと考えられているが、現在では、前述のようにソフト更新が行われているため、故障頻度や相性問題なども改善されている。ちなみに、1600系(1700系)については、制御装置による2300系との相性の悪さ以外にも、ホームドアに適応できないなど様々な問題を抱えていたため、ソフト更新が行われずに廃車となった。